フィリピン医療崩壊の現実
これを執筆している1時間前に同居人リトさんが亡くなりました。
私がフィリピン移住を検討しているときに
「フィリピンに来いよ!何かあっても俺が守ってやるから心配するな!」と
背中を押してくれた心強い存在でした。
すごく悲しいです・・・
書きながら涙が止まらないです。
亡くなるまでに、医療的な問題がいろいろありました。
ご自分に照らし合わせて、ぜひ、役立てて欲しいので、今回のエピソードを書かせていただきますね。
現在フィリピンはロックダウン中です。
・買い物以外で外出禁止
・妊婦子供などは外出禁止
・軍隊による移動制限と検閲
・仕事原則禁止
など厳しい制限が加わっています。
そんななか、リトさんは農作物を遠い田舎から運送する仕事をやっていました。
ロックダウンだからと言って、「働かない選択をすると、生きていけなかった」からです。
安い給料で、朝から晩まで働きづめでした。
(毎日2時間くらいしか寝てなかったそうです)
夜10時ごろ、トラックで農作物を運送中に、意識が混濁し倒れました。
(交通事故はありませんでした)
あとでわかった情報をふまえた私の推測ですが、おそらく、脳卒中です。
急遽、近くの病院(個人院)に運ばれましたが、
・酸素ボンベがない(コロナで使用中)
・高度医療設備がない(個人院)
・救急車がでれない(コロナとロックダウンと夜中で人員と車がない)
ということで、
実質的に医療を受けることができませんでした。
誰も助けてくれないので、親族が自家用車で大型病院に運ぶことにしました。
ところが、ロックダウン中のため、日本でいう「市」を超えることができません。
そこで、「市」を超える許可を取るところから始まりました。
1時間程度で許可を得ました。
その後、片道2時間の道を車で移動しました。
なんとか、リトさんのところまでたどり着きまして、処置ができる病院まで運ぶことにしました。
ところが、どの病院も受けれいてくれません。
・コロナで病床がない
・コロナで呼吸器がない
・コロナ&ロックダウン&夜中で医者が病院にいない
・小さい病院では「病状が重すぎて」診れない
いわゆる「たらいまわし」です。
めちゃくちゃ遠いマニラの大型病院まで車を走らせたり、中国系の病院まで手当たり次第に助けを求めたのですが、
結局、PM10時に倒れてから、翌日のAM9時まで車で走らせて、どの病院も受け入れてくれませんでした。
もちろん、道中電話をかけっぱなしです。
どの病院も助けてくれなかったので、家に一度、帰ってきました。
この朝の時点で私も事態を知り、意識がないリトさんを目視しました。
・たまに目が空く
・しゃべれない
・口が空きっぱなしでよだれが出ている
・手が一瞬うごくことがある
という症状で、たぶん、脳系の病状です。
どうみてもヤバいです。
これで追い返すことにスゴイ憤りを感じたのですが、そんなことより、病院を探さなければなりません。
私も微力ながら、日本大使館のHPをみながら、日本語ヘルプデスクサービスに電話をかけまくりました。
ところが、日本語ヘルプサポートにきくと
・コロナのせいで、どの病院も満員で入れない
・実際に行って、入れるか聞くしかない
というのです。
いろいろ探し回った結果、最終的に家の近くの大型病院が受け入れることになりました。
もちろん一回、行っています。
そのときは「医者が2~3日不在のため、受け入れられない」と言われたのです。
要は、適当な嘘を言って、追い返したわけですね。
この時点でAM11時です。
発症から半日以上経っています。
リトさんもご家族も2日間がんばりましたが・・・
残念ながら、亡くなってしまいました。
「本当は助かったのでは・・・」と思えてならないです。
・緊急であってもコロナで病院は入れない
・呼吸器など医療設備がない
・救急車がない
・医者いない
・封鎖で移動できない
・受付や看護師は適当なことをいう
日本でも同じ状況になるかもしれないので皆さん備えをしてくださいね。
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